2015.08

Challenging Heart Day

8月10日の「健康ハートの日」にちなんで、一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会とアッヴィ合同会社が、「心臓病とともに歩む親子が可能性にチャレンジする運動会」を開催しました。
ひとくちに心疾患といっても、症状や制限は様々に違います。疾患をひとまとめにして捉えるのではなく、患者の子どもたち一人一人と向き合い、その子の能力や可能性を最大限に活かせることを願って、このイベントは発足されました。

企画制作はUbdobe。 UQiYOは音のワークショップと、イベントの最後を飾るステージの音楽と演奏を担当しました。

イベントのテーマは2つです。
①  運動しながら大きなアートづくり ~自分の「できる」を見つける!~
②  カラダを使って音づくり ~音楽で自分のからだを知る!~

集まった子どもたちは2つのワークショップに参加しました。1つは運動とアートをミックスしたもの、もう1つはUQiYOによるミュージックワークショップです。
子どもたちがワークショップを楽しむ間、親は別室の勉強会・交流会に参加しました。そのため、子どもたちの活動の成果は、最後の発表ステージまでわかりません。同じような境遇の、子どもは子ども同士、親は親同士で、新たな出会いと交流を深めました。

アートづくり

アートワークショップでは、子どもたちは4つのチームに分かれ、それぞれ2m×2.5mの真っ白な特大キャンバスに向き合いました。

軽量ボディのキックバイクやボールを使って、身体全体で描くのです。タイヤに絵の具をつけたバイクに乗って床を蹴ると、鮮やかな線が引かれました。
次は、キャンバスの端を皆で持ち上げて、絵の具をつけたボールをあちらへこちらへと自由に転がしました。何人もの手がボールの進行に関わることで、思いもよらない図形が描けました。

いつもの遊び道具に全く違う使い方を見る意外性。
自分たちの動きがカラフルな軌跡となってキャンバスを彩る面白さ。
そして、一人ではできない、ダイナミックな遊び方。
日頃運動を控えざるを得ない子どもたちの目は、驚きと興奮で輝いていました。

最後に手のひらをスタンプにして、思い思いに色とりどりの手形を残しました。鮮やかに塗られた4枚のキャンバスは、乾かしたのちに繋ぎ合わされ、フィナーレの出番を待ちます。

音づくり

音楽ワークショップでは、「今、何をしたい?」という質問に、子どもたちは「アイス食べたい」「海に行きたい」「〇〇ちゃんともっとお友だちになりたい」と様々な「したいこと」をマイクに向けて口にしました。

ささやかな欲求や、なかなか叶えられない願望、今この瞬間から未来へ続く希望。それは「この瞬間」に濃縮された、子どもたちの心の一部です。
一方で、子どもたちの身体を代表する一部として、子どもたち一人一人の心臓の鼓動を採取しました。心臓の音を聞き、その音で曲作りに挑戦することで、子ども達が自分の身体と改めて向き合うねらいです。

UQiYOは、この日のために書き下ろした原曲に、子どもたちの声と心臓音を取り込み、協力し合って完成させました。

1日の締めくくりとなる発表に向けて、子どもたちはコーラスにも取り組みました。初めは小さかった声も、友だちと合わせるうちに、のびのびと響くようになりました。

発表

ワークショップの間ずっと別室にいた親たちは、少し緊張しながら観客席につき、子どもたちはステージ前へ集まりました。完成したばかりの曲を生演奏で披露するUQiYO。
その間、スクリーンには2つのワークショップの光景が映し出されました。子どもたちの笑顔や、活き活きとはしゃぐ様子を見て、思わず目頭を押さえる親の姿も…。

曲の佳境に合わせて、子どもたちが描いた作品がスルスルと掲げられました。4枚のキャンバスを1つに繋ぎ合わせた、超大型作品です。
仕込まれていたマスキングテープを剥がしたあとが線状に白く浮かび上がり、大きなハートと、「いつも ありがとう」の文字が現れていました。
いつも見守ってくれる親や周囲の人たち、心臓病だからこそ出会えた人や経験への、感謝の気持ちを込めた、特大のメッセージです。
会場は子どもたちの歓声と拍手でいっぱいになり、堂々のフィナーレを迎えました。

当日の様子をまとめたムービー

■共催:一般社団法人全国心臓病の子どもを守る会、アッヴィ合同会社
■協力:NPO法人Ubdobe
■後援:公益財団法人 日本心臓財団
■イベントページ:http://ubdobe.jp/event/3731.php